『黄金のアデーレ 名画の帰還』

今日は『黄金のアデーレ 名画の帰還』@TOHOシネマズなんば。このところなんばでの鑑賞が続いていますが、今週は、梅田のシアターは改装工事中で閉館なのでした。と言う訳で、改装後のシアターを楽しみにしておきたいと思います。
実話に基づいた映画で、映画の主人公でもあるマリアは1916年生まれの82歳の時に1998年に叔父の遺品の一つであるこの肖像画の返還請求をオーストリア政府にし、2006年にウィーンの調停で返還請求を勝ち取り、2011年に94歳で亡くなっています。
映画で返還対象になっている黄金のアデーレのアデーレとは、マリアの叔母の名前で、砂糖会社(船会社だったかな?)を営む叔父夫婦が1907年にクリムトに描かせた肖像画です。
マリア一家はユダヤ人で、戦前はウィーンで裕福な暮らしをしていたのだけど、ナチスの迫害を受け、まずは 子供の居ない叔父がチューリッヒを経由しロスへ亡命。叔母は1925年43歳の若さで亡くなっています。
そうこうするうちにナチスの迫害が始まり、ユダヤ人一家であるマリア一家の美術品や財宝類等はナチスに強奪され、自宅に幽閉状態。なんとか監視の目をかいくぐり、マリア夫婦だけはケルンを経由しアメリカへ亡命。映画は現在と過去が交錯されながら描かれています。
ナチスにしいたげられたユダヤ人のマリアが両親をウィーンに残し、夫とアメリカへ脱出するシーン。ここで別れたらもう再会は出来ないであろうと思うと私なら、どうしただろう?と思うと泣けてしまいました。

ナチスに略奪された美術品類は最後の捕虜」と言う言葉も印象に残っています。今年は戦後70年。
戦闘シーン等はないけど、ナチスに迫害されるシーンなどは緊迫感があり、この映画も戦争映画の一つに入るんじゃないかと思いました。個人的には、最近観た映画では一番良くて、お勧めしたい映画です。
 返還された絵画は現在ニューヨーク、ノイエ・ギャラリーに展示されているそうで、曰く付のこの名画、ぜひ現地で観てみたいなぁと思ったり。
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なお、この絵画の正式名称は「アデーレ=ブロッホ・バウアーの肖像Ⅰ」、映画の原題は『Womanin GOLD』金色の部分は金箔を貼っているようです。
by ajisai0614 | 2015-12-02 00:00 | エンタメ | Comments(0)