エジプト&シンガポール7日目(その②)

 久しぶりのエジプト&シンガポール旅行記です。

 ちょっと期待はずれのホテルでしたが、アブシンベル神殿に行く際に添乗員さんが「せっかくなので、ガラベイヤを着て出掛けませんか?」とおっしゃってくれたので、出発までの1時間ほどで裾上げ~。私のガラベイヤはヒールのあるサンダルを履けば大丈夫な長さだったけど、スニーカーだと裾を擦りそうだったのでお直しです。
 16時15分に集合し、アブシンベル神殿まで歩いて行くのかと思っていたら、バスを出してくれました。バスで5分位の距離だけどありがたや~。
 アブシンベル神殿の入り口付近はお土産物屋さんが立ち並んでいて、物売りも寄って来たりします。
 まずは入り口でチケットを受け取り、セキュリティチェックを受けて、神殿へ向います。大した距離ではないけど、登り坂を歩くので結構きつい。しかも夕方だと言うのに熱風が吹いています。真夏のお昼だったら死んでしまいそう(>_<) おまけに日傘兼雨傘で使用していた傘の骨が折れた。(安い軽量傘なので仕方ないけど)
 
 アブシンベル大神殿
 砂漠の中に作られたこの大神殿は、紀元前1250年頃にラムセス2世(←カルナック神殿の入り口の像)が建造したもので、神殿正面には高さ21m.のラムセス2世の巨像が4体ならんでいます。
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 左端から順にラムセス2世の少年期から晩年の姿を現していると言われています。左から2つ目の像の頭部は紀元前?の地震で落下したそう。移築の際に修復することも可能だったけど、あえて落下した状態にしているそうです。
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 中央にいるのは太陽神ラー・ホルアクティ、ラムセス2世の足元には第一王妃ネフェルタリが彫られています。ネフェルタリを愛していたとは言え、ラムセス2世の像との大きさがかなり違う辺りが、彼の自己顕示欲が強いことを表しているようで興味深いです。
巨像の上には日の出を喜ぶ22体のヒヒ像もあります。
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大きさに圧倒されますが、細かい彫刻もすばらしいです。

 中は撮影禁止のため、写真はありませんが、大列柱室の柱の大きさもさることながら、壁にもレリーフが刻まれ、薄黒くなってはいましたが見事に残っていました。
 また、こちらの奥にある至聖所には年2回(10月22日と2月22日)朝日が差し込むそう。移築の際にこの点も考慮した上で移築したそうで、エジプト古代の天文学のレベルの高さにさらに驚くばかり。
 




 アブシンベル小神殿
 こちらは、ラムセス2世が妻ネフェルタリの為に建造した神殿で、アブシンベル神殿の隣に建っています。
 アブシンベル大神殿に比べると小さいですが、それでも人間の大きさと比べるとこの大きさ。正面にラムセス2世の立像4体とネフェルタリ2体と足元には彼等の子供達の像が刻まれていて、こちらも中は列柱室とレリーフがあります。
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 入り口でアンク(幸運の鍵)を持って写真撮影してみました。入り口に居る、ヌビア人のおじさんに鍵を借ります。チップは不要でした。それにしても鍵かなりの重さです。
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小神殿の内部(外側からギリギリ撮影OKの場所で撮影)
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 エジプトへ行くにあたって是非行ってみたかった遺跡のひとつがこちらの神殿で、エジプト最南端の見所であるこの神殿は、アスワンの南280km.、ナセル湖のほとりにあり、北回帰線を超え、スーダンとの国境近くに建てられています。
 そして何よりびっくりしたのは、アスワンハイダム建設時に神殿が水没の運命にさらされるため、ユネスコが国際キャンペーンにより、1964年から68年にかけて、大小二つの神殿をブロックに切断し、もとの位置より60m.上にそっくり移動させて救済したと言うのです。そして、これがきっかけで世界遺産が創設されたそうです。 
 実際に行って思ったのは、約3,300年前にこんなに大きい神殿を、しかもカイロやから飛行機で1時間以上離れたヌビア地方に作るってやっぱりラムセス2世の権力は相当なものだったと言うこと、また紀元前に比べると最近の話とは言え、40年以上前にこの巨大な神殿を移築すると言う発想&技術に驚かずにはいられません。あの巨大な石を綺麗に分割するなんてね~。
 
 神殿は移築の際に岩山の中に大ドームを作り、その中に神殿が納められていて、大神殿の右側にそのドームへの入り口があるそう。10年ほど前にアブシンベルに行った上司達はそこも行ったそうで、写真も見せてもらっていたのですが、今は安全上の問題からその場所の見学が不可になったようです。

 16時15分~17時50分まで見学後は、一旦ホテルに戻ります。
by ajisai0614 | 2009-04-26 00:00 | '08年9月エジプト&シンガポール | Comments(0)